2011年12月

2011年12月31日

セールスコピーは確かに大事だろう。でもそれ以上に

大事だと思うのは、文字ではなく、
写真や雰囲気、活動を通じて喚起されるイメージ。

もちろんコピーの勉強もこれまで
何となくしてきた。
けど、どうにもしっくり行ってなかった。

どうして、実物を見たら1としか感じないものを10にして
売るというのか?ということ。

インターネットだともちろん
全部が把握できない。
だからこそ大げさな表現というか
必要以上に大きく見せるという行為自体が
お客さんを欺いていることだと思う。

なので、一切の飾りをやめて、
見たまんま、そこから伝わる空気感を大事にしたいと思う。

もちろん、お客さんにとって必要な情報を
凝縮して、なるべく短い言葉で伝えることは必要だ。
なのでそこは今後もっと磨いていく。
それは顧客サービスである。

結局お客さんは一時は騙せても自分は騙せない。
もし、「本当は謳ってるほど価値はないのにな」と
思いながら販売していたらどうなるか?
ストレスで内臓がやられて寿命が縮むことは間違いない。
またやっていて全然楽しくないだろう。

だから、やるべきことはひとつ。
全ての鬱病が「本当の自分と世間に出す自分」との
ギャップで生じることは自分の中で答えが出た。

すると商売でも同じ。
「本当の価値と、世間に見せる価値」
これが同じでなければいずれは淘汰される。
お客さんにも淘汰されるし自分自身にも淘汰されるだろう。

ヒントになったのが、
無印の原さんが作った広告。
広告なのに、言葉がない。
写真に「無印良品」もしくは「MUJI」。
でもこの写真を撮るのに、ボリビアのウユニまで行き
3〜4日かけて一枚を撮るぐらいの気合いの入れよう。

このポスター。
012[1]


僕が尊敬している会社は
無印、ユニクロ、The Body Shop。
どれも言葉よりも活動自体が広告になっている感じがする。
職人.comもそうなりたい。

その大きな一歩として4年半ぶりに
ヘッダーなどをリニューアルした。
かなりシンプルになった。

先日ICTの齋藤さんという方が
会いたいということで京都駅でお茶したが、
そのときに、アメリカ帰りでなおかつ会社も数社立ち上げたという
ツワモノぶりから、色々とうちのサイトのデザインにもついても
遠慮なく改善案を言ってくださった。

本当に勉強になった。感謝。
海外への販売として一部一緒にできそうだ。
よしよし、順調順調。
売上は全然良くないけど、自分の思ってる方向に
ちゃんと向かってる。

今日の夜12時に送料やポイント、手数料などの設定も
全て新しくする。かなり思い切ったことだが
ようやく本当の目指すところへのスタートラインというところか。
これにも随分投資をした。

昔の俺ならそんなお金のかかること、と一蹴してたが、
今は社会にとって価値あるものを残したいというのが
自分の欲求になっているわけだから
自分の取り分がどう、というのは完全に後回しになっている。

よーし頑張るぞっと!
年末から正月にかけて仕事で過ごすのなんて初めてかもな。
今年は良い一年だった。長かった。成長した。よくやったぞ俺。
sakuraishinya at 13:53

2011年12月22日

値決めが経営を決めると稲盛さんは

言った。
今まさにその言葉を噛み締めている。
自分の向かう方向と合致する
スタイルはどのようなものか
分かってきた。

一月一日からだいぶ
変わりそうだ。
たとえば送料の設定でも
100円違うだけで年間50万ぐらい利益が変わる。
代引き手数料無料から315円頂く形にするだけで
75万利益が違う。

またポイント制度をやめるだけで
年間150万以上変わる。
うちみたいなたった二人でやってる零細企業でも
こんなに変わるとしたら、
年間1000億以上売るベルメゾンやニッセンとかは
送料一つでどれだけ変わるか
考えたら下手したら数十億単位だろう。

つくづく商売というのは面白い。
でも僕はシンプルにしたい。
ややこしくしたくない。

そしてこれからうちだけの強みに
注力していくため一切の飾りを排除していく。

自社独自の強みを伸ばせなければ
生き残れない環境にあえてする。
これからやるべき道は
だいたい決まっている。
それもきちんと利益を出しながらでないと
無論やっていけない。

いよいよ独自路線に進むことになりそうだ。

iPhoneから送信
職人.com 櫻井慎也
sakuraishinya at 00:42

2011年12月19日

仕事の成功とプライベートの成功は別。

先日やずや創業者の本を読んでいて書いてあったのは、
世界一周ができたとか豪邸を建てたとかフェラーリ買えたとか、
そういうのはプライベートなもので
多少無理して選択しようと思えばいつでも選択できるものであるということ。
もちろん借金の返済がかなり大変だけど。

そういうものの成功と、
仕事の成功とは違うと明確に記されていた。

たとえば世界一周に成功しようと思えば簡単だ。
100万貯めた時点でピースボートに乗るか
世界一周航空券で3ヶ月〜半年ぐらいでまわれる。

何て簡単。そこに明確な計画など必要だろうか?
覚悟さえあれば可能。
しかし、会社の売上はいくら自分が躍起になったところで
思うように上がらない。

ここが非常に面白いところで、
自分ひとりでできることがプライベート。
自分ひとりではあまりに非力なのが会社。

僕は今までそれなりにプライベートでは
成功をつかんだと思っていた。
しかしビジネスではどうか?
最初の2年ぐらいで掴んだ小さな小さな成功から
未だに抜け出せずにいる。

いやライバルがおそらく6年前の10倍ぐらいに
増えてるだろうから
小さな成功は新しいイノベーションがない限り
永続しないのが自由主義社会の鉄則なので
かつてより少し下がった。

これには自分の能力がいかに
大したことのないものか痛感した。

ワタミの社長はこう言っていた。
いくら社長がシャカリキになったところで
売上は伸びない。
社員、取引業者さん、お客さんに応援してもらえること、
「もっと大きくなれ」と思ってもらって初めて大きくなる。

ここがプライベートと違うところ。
願うことは大前提だが、願うだけでは叶わない。
自分の願いが、たくさんの人の願いにならなければならない。
たくさんの人に自分の会社を応援してもらって
初めて大きくなる。

こんなことも今更本当の意味で
気付くということ自体が全くのオバカサンというわけだ。
でもようやく気付けたわけだ。痛いほど。

20代のうちにありとあらゆる失敗をした。
致命傷になりかねないような失敗もあった。

でも神様(世間様の別称かもしれない)が
もうちょい踏ん張れと救ってくれたおかげで
奇跡的に助かった。

1月ぐらいまではこれまでの旧システムのツケを
払うことになる。過去の清算だ。
別に悪いことをしたわけでは全くないが
もっとお客さんのためになるサービスへの脱皮費用といったところか。

今年はとにかくその出費が多かった。
でも気持ちいい。
色々経験して馬鹿な経験もして
たくさん旅してそして見えてきた未来像。

自分の役割というものを客観的に
眺められるようになった。
みんなそれぞれ役割があるはず。
どの役割を選ぶかは自由だけど役割は必ずある。

だって誰もが一兆円企業の創業者なんて
なれるわけない。そこで働く人がいなければ。

スティーブジョブズもアップルという会社の
社長業という役割があった。
彼の役割はクレーム対応でも修理でもない。

彼は行き場を見失ったアップルの社員に対して
リーダーとして明確に方向性を示す必要があった。
それはカリスマとされていた創業者の彼にしかできなかったのだろう。
だからアップルに呼び戻されたのだろう。

思うのは役割に気付いたときに
世界を幸せにする、エキサイティングにする
大きな力が自分にも宿っていることに気付くのかもしれない。

そして、自分自身を謙虚な気持ちで車輪のひとつとしてみることで
初めて同じ方向に向かうたくさんの車輪も
仲間として引き入れられるのかもしれない。

と、長々と今年に気付いたことを書いた。
来年は再構築の途中からスタートだが、
これから日本一の通販サイト構築に向けて頑張ろう。

職人.comならきっとそうなれるポテンシャルがあるし
そうなれば日本の職人を変えられる。
日本や世界の伝統産業に自信と誇りをもたらせる。
世の中を変えられる。てことでがんばろーっと!
sakuraishinya at 14:22


プロフィール

2004年から日本製工芸品オンラインストアの職人.comを運営しています。これまで134カ国・地域を旅しました(旅行記はこちら)。
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