2016年09月

2016年09月18日

僕の日本家屋好きが辿り着く先はどこだろうか。

大変困っている問題だ。
社員にはそんなに好きなものがあるなんてうらやましいと言われるが、
直接仕事には関係ないし、
またこんなに素晴らしい町家に住んでいるにも関わらず、
暇さえあれば次なる日本家屋を探している。

茅葺きも欲しいし、長い塀で囲まれた武家屋敷みたいな物件もたまらない。
妻はこの町家を大変気に入っているが、
新しいものを所有したいとは思わないらしい。

いやーこの日本家屋を所有したいと思う気持ちは何なのだろうか。
今日は近所で一番素晴らしい家である藤田家住宅を見に行ってきた。
趣向を凝らした造りに感銘を受けて、
帰宅後、メタリックに光る郵便受けを2軒分外し、
代わりに鎌倉で買ってきたカゴを郵便受け代わりに設置した。
おかげで大変良くなった。

さて、何なんだこれはと。
生きる目的が分からないと先日書いたが、
好きなものは結構ある。

旅も好きだし、職人.comもボディショップやパタゴニアのように有名にしたいし、
日本家屋は言わずもがな。
大きく分けたらこの3つか。

何だ意外とシンプルだった。
書いたら案外整理されるね。

旅好きも日本家屋好きも、
現在の仕事に生かされている。
パタゴニアやヴァージン、オラクルの創業者も旅好きで有名だ。
旅は自分を色んな面で成長させてくれる。

僕には趣味というものが長年なかった。
でも今ならはっきりと言える。
日本家屋こそ趣味だと。

旅は趣味とは違う。
たまに行きたいと思う感じ。
それは体がなまってきたから、たまに身体を動かしたくなるようなもの。

仕事は趣味とは少し違う。
職人.comにはもっと意義を感じている。
僕個人のものではなく、社員や取引先も含めて何百人、
そしてお客様も含めると何万人も関わっているし、
職人.comを通じて結婚祝いなどを贈られる方が多く、
人々の人間関係を繋ぐとても大事な仕事をしている。
だから個人の趣味とはなかなか言えない。

とまぁそういうわけで、趣味が見つかったということでめでたいことだ。
周りから病気と言われるほど週末ずっとネットで日本家屋を見ているほど。
しかも結婚前からだから数年はこんな感じ。
高梁や美山、倉敷などの美しい日本家屋に感動した。
ネットで発見した京都の日本家屋をブログ記事だけで探し当てたり(記事)。

そんな日本家屋好きから、
雑誌の「和樂」に今年掲載していただくという幸運もあった。
おそらくにわかファンでは編集長やライターさんに伝わらなかっただろう。

膨大な人生の時間を割いている日本家屋探索。
この趣味と生涯付き合っていこう。
好きなことを抑える理由はない。

あ、酒も好きなので、これからもどんどん飲んで、
美味しい銘柄を覚えていこう。

来年からはお金を貯めようと思う。
これぞという物件に出会えたときにすぐに買えるように。
この町家2軒はずっと手放さない予定だけどね。
ここがなければ今の自分はない。

というわけでダラダラ書いたが、
これからも思う存分日本家屋探索していこう。
sakuraishinya at 22:24

2016年09月13日

最近久しぶりに生きる目的をなくしている。

最近久しぶりに生きる目的をなくしている。何を目指せばいいのかも、何をしたら幸せになるのかもよく分からない。まず結婚したときにも書いた、でかい日本家屋をゲットするというのも既に叶っていると言っていい。自分の給料を上げるという欲求は全くない。サラリーマンが年収の張り合いとかしているのを見ると、まだその魂レベルなのかと可哀想になる。世界中行った。もちろん行ってないところもたくさんあるが、行きたいと思うようなところが最近あまりない。この職人.comがボディショップやパタゴニアのようにその名前を聞いただけで理念が連想されるような店にすることはやっていきたいし、それが我が社の使命だと思う。だが、この町家でのシンプルな職住一体の暮らしが好きだし、どのぐらいの売上になるのが理想なのかが分からない。俺の嫌いな無機質なビルで働かなきゃいけなくなる。呼吸をしてない建物で働くことの苦痛よ。まぁ世の中の大半の人はそのような場所で働かなきゃ社会が成り立たないのは重々承知だが、わがままを承知で書くと俺は嫌だ。ではこのまま小さく年商一億前後でやっていくのか?今日社員が言った。櫻井さんは結局何もやりたくないんじゃないですかと。このままがいいと深層心理で思っているということだ。まさにそれだった。これ以上大きくして質を落としたくはないし、発送も遅く、また雑にしたくもない。もちろん商品の質も。あらゆることを天秤にかけたときに、今の生活を選んでいるのだろう。上場を目指すかどうかもそうだ。それで業界を代表する存在として活性化できると思っていたが、そんなことで活性化できるのかということと、上場なんてしても維持費がかかるだけで自分だけの価値観を見つけたほうが良いという大変冷めた視点もある。何度も行ったり来たり。先ほどの社員は結局俺は上場したくないと思っているが、実に当たっているかもね。結局俺は変わらないのか。それが俺らしいのか。次なるステップが見つかるまではこのまましばらくじっとしていよう。多分そういう時期なんだろう。
sakuraishinya at 00:45

2016年09月11日

今日も北の方へ。

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どうせなら気が済むまで見てやろうと思って行ったら、
気が済んでしまった。

めちゃくちゃ暑かったのもあり、
キッパーズケルシュに4時ぐらいに入って、
冷たいバスペールエールを飲んだときの美味さよ。
今出川最高だと思った。

職人.comを始めてもうすぐ丸12年か。
何とか生き残ってるよね。
その秘訣をここに書くと、
熱しやすく冷めやすくしぶといということだろう。

熱しやすく冷めやすいは重要だと思う。
冷めやすいから新しいことをやりたがり、
熱しやすいから覚えが早い。

でも何か違うと思ったらすぐ元通り。
知識と経験だけが残る。

あとはしぶといから、
一回手に入れたものは離さない。
うまく行かなくなっても、
何だかんだ時代についていく。

今、スマホ対応すべきかどうかで悩んでいるが、
それもメリットデメリットがあるので、
見極めているところかなと。
長期的視点でやることが大事だな。

世の中のトレンドに左右されて起業する人は、
おそらくトレンドにより潰れるだろう。
そもそも長く続けようなんて思ってないのかもしれないが。

正直、全く成功してると思わないが、
こういう会社を長くやりたい人は、
あまり人の意見やトレンドに左右されない確固としたものを持つ、
もしくは持てるような生き方をすべきだと思う。

世の中はトレンドに流される人が多い。
もちろんそれについていけないとアウトなところもあるが、
人が作ったトレンドに次から次へと興奮しているようではどうなんだろう。
悔しいと思うか、こんなのくだらねぇと思うぐらいの闘争心が必要だ。

今はスマホ対応常識でしょ!って?
盲目的にそう言ってしまう人は、
昔ガラパゴス携帯用のサイトをせっせと作っていたんだろうなぁ。
僕はあんな日本でしか通用しないものはいつかなくなり、
携帯でPCと同じページが見られるようになると思っていたから全く対応しなかった。

レスポンシブデザインは、
Googleが推奨したことで爆発的に増えたが、
PCサイトよりも文字がでかくなり、
ページの縦幅が数倍長くなるので、
うちの場合だとお客様のご感想などを全てカットしなければいけなくなる。
これではSEOもへったくれもないわけだ。
うちの場合は完全にマイナス。

最近はスマホ対応は良いが、
PCからしか見られないものがよくあるが、
あれは本末転倒だろう。
わざわざPCから行かないと設定できないって。

ということも多々あり、
うちはスマホ対応していない。
黙って去られているのかもしれないが、
今のところスマホ対応しろというお声はゼロだ。

さすがにコンバージョンはPCより落ちるが、
そもそも移動時間などで即買いするような商品なのか疑問だ。
よく見られずに買われて、
満足してもらえなければ次はない。

というわけで、旅行記サイトは自力でレスポンシブ対応したが、
職人.comは途中でそれに気付いてやめた。
これにかかった費用はゼロ。
何でもかんでも任せようというのは技術の蓄積がないし、
これも零細企業の少ない運営費を圧迫しないように大事なことかと。

あとは、熱中するものにとことん熱中することかな。
僕は工芸や民芸はもちろんのこと、日本家屋が大好きだ。
これを見る目は全てに通じる。
本当に価値あるものはトレンドに左右されないこと、
数百年経っても変わらず美しいデザインや素材があることなどが分かる。
それは圧倒的な時間の蓄積により、
一ヶ月やそこら真似したところで追い付けない違いになる。

何か説明できないけど何か違う、
それを身に付けることが最も大事だと思う。
それにはそれを支える蓄積があるということ。
これからも蓄積させていきたい。
sakuraishinya at 23:14


プロフィール

2004年から日本製工芸品オンラインストアの職人.comを運営しています。これまで134カ国・地域を旅しました(旅行記はこちら)。


僕の失敗続きの人生を取材していただきました。『勤めないという生き方』森健著P.146〜164に書かれています。


5ページにわたり僕の人生や仕事について取材していただきました。『マイペースで働く!自宅でひとり起業 仕事図鑑』滝岡幸子著P.100〜104に書かれています。


僕の人生のバイブルです。生きる目的を失っていたころに出会い、人生がまた輝き出しました。ザ・ボディショップ創業者のアニータ・ロディックさんには本当に感謝感謝です。理念的なグローバルブランドをつくりたい、もしくは理念的な会社で働きたいという方はぜひ読んでみてください。カラー写真入りの大きな本ですので、イメージとして入ってきやすく、本棚にあっても存在感があります。


人生を変えてくれた本です。世界1億部以上の大ベストセラーで、歴史上最も売れた本の一つ。「夢を追求している時は、心は決して傷つかない」など、本の至るところに大事なメッセージがあります。すべての夢を追い求める人、日々の雑務に追われ夢を忘れている人に、心の底からおすすめします。
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